医薬分業に関するご質問
Q&A--- separation of dispensary from medical practice

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◆ Q  保険薬局は在庫をそろえるべきでは? 

◆Q 医療費のコストダウンの政策は何ですか?

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Q 保険薬局は在庫をそろえるべきでは? 
投稿日:2001年 9月22日(土)20時19分32秒 

私は病院薬剤師です。就職して、驚いたことは、院外処方を出すと、薬局から、「この薬はうちにないので、変えてください。」と電話があるのです。
正直に言って、失望しました。分業の一つの意味は、医師が在庫にとらわれず、いい薬を出すことでは
ないのでしょうか。
でも、取り寄せとなると、患者さんを待たせることになるし、結果として、変えた方がいいということかもしれません。
病院の近くの薬局は、在庫を増やしたくないそうですし。患者さんは、どうしても病院の門前薬局に行きたがるのです。理想と現実のギャップを感じています。
患者さんにとって、一番良い方法とは、どのようなものなのでしょうか。 
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A 病院に都合の良い在庫でなく、患者さんに喜んでもらえる薬局が基本です。 
 投稿者:しも  投稿日: 9月24日(月)16時18分07秒 

◆こんにちは。まず確認したいことがあります。

1.在庫を増やしたくない病院の近くの薬局とは、門前の薬局のことですか?それとも別の薬局ですか?
2.「変えてください」といわれた薬はなんですか? 先発品ですか? ジェネリックですか?
3.門前の薬局に連携として薬剤部からアプローチしていますか? へんな薬局ですか?

「医師が在庫にとらわれず、いい薬を出すこと」 そのいい薬とは「病院側に都合のいい薬」のことですか? 本当に「患者さんにとって1番いい薬」のことですですよね。

医薬分業の価値は、医療の公開と他施設での客観的なチェックにあると思っています。それができない保険薬局と判断されれば、患者さんの方でその薬局にいかなくなります。
逆に、市場にあまり出回っていなくて、標準的でない薬剤や薬物療法を行う医療機関は、保険薬局もこまりますが、結果的に患者さんからきらわれます。
「この薬はうちにないので、変えてください。」と言った薬局がどれだけの在庫を持っていて、責任ある態度で患者さんに接しているか、独立した機関として、そのチェック機能を果たしているかということが重要です。

「この薬」と言った病院を支持する患者さんもいますし、「あの薬局の方が正しい」と思う患者さんもいます。患者さんが選べるから、医薬分業だと、しもは思っています。
患者さんに支持されたがわが「正しい」のだろうと思います。

お答えと、反論もお待ちしています。
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お返事ありがとうございました 投稿日: 9月24日(月)22時36分33秒 

在庫を増やしたくない薬局は門前の薬局です。
変えるように言われたのは、アデスタンクリームはないので、膣錠にしてください、とか、バッサミンをバファリンに、ラミタレートLをアダラートLに、アムロジンをノルバスクに、パセトシンをサワシリンにといった感じです。まぁ、だいたい同じ成分には、変わるのですが。
漢方薬などは、同じものはありません。門前の薬局とは、一応話したりしているようですが、儲けたい薬局のようです。
53点は81点に、処方箋上のみ変えるように要求してきます。もっとも、薬を出しすぎたり、変な薬を出す病院の医師のほうが、間違っているのかもしれませんね。
もっと、医師を教育できるように、私も一生懸命勉強します!! 
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Q 医療費のコストダウンの政策は何ですか?

規制緩和!? 投稿日: 2003年4月 5日(土)19時57分42秒 

>近いうちに薬事法改正があり、要指示薬が無くなったり、いろいろ変わるとおもいますが・・・
医薬品業界も規制緩和の影響を受けているのですね。驚きました。
規制緩和や薬事法の改正が医薬品業界に影響を与えていくようですが、やはりコストダウンの方向に進むのでしょうか。どういう風に変わっていくのか想像ができないでいるのですが、少しでもいいですのでその様子を教えていただけないでしょうか。
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A このままでは破綻してしまいます。 投稿者:しも  投稿日: 4月19日(土)19時33分39秒 

昔から、欧米を学べといわれていますが、日本の医療・公衆衛生システムは欧米など比べ物にならないほど世界に誇るべきシステムだと思っています。長寿NO1はこのごろずっと日本ですし、新生児の死亡率も非常に少ないと思います(これも世界一かもしれません)。先進国の中でせはひとりあたりの医療費も高くないし、患者さんは通常好きな医療機関を選べます。町のお医者さんにかかってもいいし、大学病院にいってもいいし、ほんとうに自由で、いたれりつくせりの国ではないかと思います。
でも、長寿NO.1であり、少子化の時代ですから、この先、収入がない(税金を払えない・保険料を払えない)人口が爆発的に増加するのは目に見えています。日本はいままで世界中で経験したことのない、超高齢者の国になります。横軸が人数で、縦軸が年齢とすると、筋肉ムキムキの逆三角形のような形になるわけです。あと、70年たてばそんな心配もないかもしれませんが。このままでは、それまでに、日本の医療システム自体が破綻してしまいます。

ということで、国民医療費をコストダウンしないと、日本国民全体がこまってしまうのです。
だから、そのためにいろいろ考えられています。
今まで少しでも行われている方策としては、保険医療の範囲を少なくする、窓口負担を増やして受診抑制する。出来高払いから包括化にする、入院日数が長いと収入が減る、安い薬を使うと技術料が増える、薬の種類が多いと技術料を減らす・・・などなどいろいろあります。医薬分業もそのひとつですが、これからはどうなるかわかりません。まだまだ足りないと思いますが。

・・・・最近、セルフメディケーションが叫ばれている背景にも、当然、自分の体は自分で守って欲しいという、医療費抑制という背景があるわけです。

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投稿日: 5月 3日(土)00時14分49秒 
丁寧な説明ありがとうございます。すごく砕いて書かれていたのでわかりやすかったです!!長寿社会と少子化から引き起された問題なのですね。薬事法の授業も始まり、規制緩和の状況も少しだけならわかってきました。私は製薬業界を目指しているのですが、今後の社会の動きも大きく影響してくることになるんですね。
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