漢方薬などのご質問

Q&A---traditional Chinese / herbal medicine

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Q 祖母が更年期障害へのホルモン療法から紅参に処方変更されてしまいました。

Q 漢方薬が医薬品ではなくなるというのは本当ですか?

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Q 祖母が更年期障害へのホルモン療法から紅参に処方変更されてしまいました。

東薬大3年
はじめまして・・・・
更年期障害に対する漢方処方についてです。
私の祖母が10年くらい前より、更年期障害の治療でホルモン剤を投与されていたのですが最近「年齢的にもう止めても良い時期」と言われて薬を漢方薬(紅参)に切り替えられました。
そして「紅参は単独では出せない調剤用の薬だから」と「平胃散」(ツムラ53番?)も処方されました。

祖母は「薬代は今までよりも高額になるし、紅参の効用がよくわからない。
平胃散が処方される理由もわからない」と服薬するのをを不安がっています。
(実際に処方された薬を見せてもらったのですが紅参らしき薬は赤い粉末で一回分ずつ分包されていました。)

この薬を処方した病院は処方箋を発行せず、医師自ら薬を調剤して渡している為祖母は薬剤師による服薬説明は受けていないそうです。

祖母は私に「薬を止めたいのだが、、」と相談してきたのですがどう答えてあげればよいのか分からず、困っています。
(このような処方はめずらしいケースなのでしょうか??)

アドバイスをお願いしたいと思います。どうぞ宜しくお願い致します。

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A 主治医にざっくばらんに相談しましょう。

高齢者だから、ホルモン補充療法(HRT)エストロゲン・プロゲストーゲン併用投与はダメということはないと思います。しかし、やめてもいいと主治医が判断されたのもおかしくはないと思います。高齢者に対するホルモン補充療法についてはいろいろな考え方があるようです。積極的に投与した方が骨のためにもよいという考え方もある一方で、体外からホルモンを投与することに対する心配です。
現在乳がんや子宮ガンにかかっている人、あるいは過去にかかったことのある人、重い肝機能障害のある人、血栓症にかかったことのある人は受けられません。高血圧や糖尿病の人も注意が必要で、検査を受け、症状を観察しながらでなければ、受けられません。 ホルモン補充療法によって危険性が高まるからです。

ニンジンは更年期におけるのぼせや冷えに効果のある生薬といわれているようです。

平胃散はツムラ79番で、更年期障害の適応はないので、ニンジンを投与するために便宜的に併用したのかもしれません。またツムラ53番ツムラ疎経活血湯エキス顆粒(医療用)そけいかっけつとうも更年期障害の適応症はありません。
ニンジンは高価ですので、自己負担が高額になると思います。

一般的には、更年期障害の治療にニンジンが必ずしも必要ではないとは思います。

更年期障害の適応を持っている漢方薬は以下の通りです。
温経湯、加味逍遙散、三黄瀉心湯、四物湯、大黄牡丹皮湯、通導散、桃核承気湯、当帰芍薬加附子湯当帰芍薬散、八味地黄丸。
これらにはニンジンを含まないものも多いです。ただ、東洋医学では、病名から漢方薬を選ばず、証(しょう)という体質みたいなもので処方が決定されます。


患者さんの病態に応じた処方を主治医が選択した訳なのですが、服用についての不安が大きいのか、経済的負担が大きいことが問題なのか、説明が足りないことが問題なのか、それらすべてかもしれませんが、やはり医師にざっくばらんに相談されるのがいいのではと思います。

文責 しも 2003.7.12

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Q 漢方薬が医薬品ではなくなるというのは本当ですか?

初めまして。投稿日: 2002年3月24日(月)23時05分22秒 

初めまして、私は薬学部3年生で、現在就活中です。

先日、「漢方薬が医薬品ではなくなる」という話を耳にいたしまして、
現役の薬剤師の皆さんにその実態を伺いたいと思い書き込みをしてみました。
これは本当の話なのでしょうか?
知っている方がおりましたらお答えをお願いいたします。

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A だいじょうぶ 投稿者:しも  投稿日: 3月29日(土)15時51分24秒 

医療費高騰が問題となるたびに、そのようなことが話題になっていますが、今のところ規制緩和の話題の中で、漢方薬のみがターゲットになっているとは考えられません。
ところで、「漢方薬が医薬品ではなくなる」とは「医療用医薬品でなくなるのでは」という質問として解釈しました。OTC(大衆薬)も医薬品(一般用医薬品)です。
それとも医薬部外品になるといううわさでしょうか。とにかく、当分は医療用の漢方製剤は無くなることはないと思います。
近いうちに薬事法改正があり、要指示薬が無くなったり、いろいろ変わるとおもいますが・・・

規制緩和!? 投稿者: 投稿日: 4月 5日(土)19時57分42秒 

詳しい解説ありがとうございました。その話の医薬品とは医療用医薬品のことです。医薬品業界も規制緩和の影響を受けているのですね。驚きました。

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お話によると規制緩和や薬事法の改正が医薬品業界に影響を与えていくようですが、やはりコストダウンの方向に進むのでしょうか。どういう風に変わっていくのか想像ができないでいるのですが、少しでもいいですのでその様子を教えていただけないでしょうか。回答