8回クリニカルファーマシーシンポジウム 要旨

2000年7月1-2日 仙台 予定

演題名      喘息患者と薬剤師

         保険薬局の立場から

所属        八王子薬剤センター薬局

シンポジスト    下平秀夫

[目的]

医薬分業が進み、外来患者の生活管理に保険薬局薬剤師も積極的に取り組むべき時代となっている。特に、喘息患者の多くは外来通院の管理であるため、保険薬局が喘息患者に果すべき役割は年々増している。一方、当薬局ではこれまで喘息患者に対して一般的な指導は行ってきたが、個々の患者に対応した指導はできていない。本来、実績のある薬局による発表が好ましいであろうが、今回は喘息指導初心者として第一歩から初めさせて頂き、課題等について考察致したい。

[方法]

保険薬局薬剤師の弱点は、それぞれの処方医やその診療科の治療方針がつかめないことである。しかし、近年わが国でも喘息においていくつかガイドラインが示され、これらに従った標準的な治療が一般的となった。このような背景から保険薬剤師も以前に比べより積極的な指導を行える環境が整ったといえる。

 今回我々は、処方医にアプローチし、喘息治療に関する取り組みと生活指導の内容を知ることより、より踏み込んだ服薬指導に努めることにした。そこで、特に十分な説明を要する患者であると医師が判断した場合、「吸入剤の説明をお願いします。」という印を処方せんに押印してもらい、そのような患者に対して薬局側が重点的に使用説明を行うことにした。

[結果・考察]

医師は薬剤師による説明を好感をもって受け入れてくれた。これには処方医自らていねいに指導をしたいが、十分な時間を費やすことができないという処方医の実情があった。現段階で知り得たこと、及び課題は以下の通りである。

○知り得たこと

1 薬局側がアプローチすれば、喘息指導の連携は多くの場合可能である。

2 成人の喘息治療と小児の喘息治療ガイドラインは異なる。

○課題

1 我々自体が喘息治療の基本を十分には理解できていなかった。喘息患者のQOLを向上させるためには、まず、薬剤師が喘息管理を正しく理解しなければならない。その上で、わかりやすく伝える方法を準備したり、患者の問題点を探し、解決に向けた医療側との連携を築いていく必要があると考える。

2 患者がくつろげる空間でゆっくりと説明できる環境作りが課題である。

 以上大変拙い内容であるが、我々の初期段階のアプローチを紹介致したい。  

トップページへ