一般用医薬品のサイト
八王子薬剤センター 山田弘志、下平秀夫
21世紀はセルフケア、セルフメディケーションの時代とも呼ばれている。
自分で判断できる軽い病気・体調不良・ケガなどの場合に、OTC薬や健康食品等を使用することは、来院のための時間を費やすことなく国民の利便性の立場から大変重要である。また、自らの体調を気遣うきっかけともなり、医療の効率化、医療保険財政の負担を減すことになる。
今回は、OTC薬を中心とした、情報収集に便利であると思われる健康関連サイトをご紹介したい。
○財団法人 日本健康・栄養食品協会ホームページ (財団法人 日本健康・栄養食品協会)
http://www.health-station.com/jhnfa/
安全な健康補助食品の提供と正しい知識の普及啓発を行うことで、国民の健康的な食生活支えることを目的に設立された、公益法人である。
クロレラ、スピルリナ、EPAなど50種類の品種別規格基準の設定と、「JHFAマーク」の表示許可を行っている。健康補助食品、特定保健用食品、特別用途食品に関する公式ページを公開している。また、消費者の健康教育の一環として電話相談も受け付ける「健康補助食品相談室」の運営等を行っている。
○日本大衆薬工業協会ホームページ (日本大衆薬工業協会)
http://www.otc.gr.jp/
当協会は、大衆薬業界のメーカー92社が加盟し、大衆薬の正しい使い方の広報活動、薬の説明書の読みやすく分かりやすい表現方法の研究など大衆薬についての問題を取り上げ検討している。また、当協会の会員が構成する日本大衆薬情報研究会は大衆薬事典を編集している。
本のサイト「薬の常識」の監修は共立薬科大学中島恵美氏である。OTC関する様々な情報を一般の消費者に向け、簡単にわかりやすく解説している。
○世界大衆薬協会ホームページ (World Self-Medication Industry)
http://www.wsmi.org/
世界大衆薬協会・WSMI(World Serf-Medication Industry)(会長 上原 明氏)は、 1970年にヨーロッパ、カナダ、アメリカの大衆薬協会の代表者会議で創設された。その後、日本、アジア各国なども参加し、世界各国の大衆薬協会の連合団体となっている。WHOよりNGO(非政府諮問機関)の認可を得ている。世界大衆薬協会の主な目的は、次の通りである。
1.政府、医学・薬学専門家、学界、および広く一般の間に、セルフメデイケーションを深く浸透させることにより医療保健システム全般にどのように貢献できるか、についての理解を深めること
2.国連世界保健機関(WHO)、およびその他公私の国際機関において大衆薬業界団体を代表し、業界の専門知識をもって、これら機関と相互に有益なプロジェクトの実施に参加すること
3.消費者の利益のため、業界と政府の協力を奨励し、業界の責任ある自主規制を促進すること
4.国内ならびに国際的に共通する規則などの問題について、会員相互の協力を促し、情報の交換を図ること
5.大衆薬の開発、製造、販売に関し、また特にこれらの医薬品を用いる大衆への情報提供に関し、最高の水準を目指すよう努力すること
なお、「第14回世界大衆薬協会総会(東京大会)」が200211月の5日間、ホテル日航東京で開催される。
○セルフ薬局禁煙ホームページ (セルフ薬店 植村成美氏)
http://www.self.co.jp/no_smoking/
禁煙チャレンジをサポートするページ。植村氏自身が過去、禁煙プログラムに助けられた経験を持つ。@タバコについてA禁煙のメリットB治療法C楽しい禁煙方法D禁煙した人のはなし等わかりやすく説明している。
○東京都家庭薬工業協同組合
http://www.tokakyo.or.jp/
東京都内に本社又は工場或は営業所を持つ一般用医薬品のメーカーによる協同組合である。現在の組合員数は賛肋会員を含め60社。
胃腸、のど、皮膚、滋養強壮、痛み止めなど12の疾患別にOTCがまとめられている。また[伝統薬ロングセラー物語]は、キンカン、浅田飴、太田胃散、トクホン、宇津救命丸、喜谷實母散、救心、龍角散、守田寶丹、中将湯、養命酒という有名商品について成り立ち、販売の歴史等がまとめられている。
NHK健康ホームページ (NHK)
http://www.nhk.or.jp/kenko/
NHKの番組の[今日の健康][サンデー健康ほっとライン]のページが掲載されている。病名から情報を検索したり、病名から専門医を検索できる。OTC関連では[健康情報ボックス]の中で、番組で放送した内容についてダイエット、薬、サプリメント等充実したページをもつ。写真等が多く分かりやすい。
○くすり屋さんで売ってる薬のホームページ (Superkid)
http://members8.cool.ne.jp/~superkid/
このサイトでは、一般市民向けにOTC関連の情報を提供している。一般市民からの薬の質問を受けられる薬剤師が各自専門分野を登録。市民は、登録された薬剤師に直接メールで問い合わせることができるコーナーがある。その他、以下のコーナーがある。
@OTC薬のデータベースA市販薬ストアのリンクBくすり屋さんで売ってる薬のニュースCOTC新製品ニュース
○大正製薬ホームページ (大正製薬)
http://www.taisho.co.jp/
製品情報はジャンル別に分けられ、大正製品であればすぐに検索できる。製品特徴、用法用量、成分、効能効果、治療のポイントが掲載されていてわかりやすい。また製品名、対応部位、配合成分、症状・使用目的別で検索できる。医療関係者向けのページもあるが会員制となっている。
○参天製薬ホームページ (参点製薬)
http://www.santen.co.jp/
健康のページの[目の健康]には目の疾患や目薬のことが詳しく掲載されている。また[薬局・薬店でかえる目薬]では、商品の添付文書を検索できる。医療関係者向けのページがあるが会員制となっている。
◆最近のトピックスとして、生活者と医療薬学関係者、団体、企業が、21世紀のよりよい医療や健康づくりのあり方を真剣に考えていく場として、特定非営利法人(NPO)のセルフメディケーション推進協議会(世話人代表 山崎幹夫氏)が組織され、本年5月に設立総会が開催される。厚生労働省の「健康日本21」などへの協力も期待されている。
 
◆高齢化や医療の高度化が進展して行く中で、病院は重症患者の治療に当てる時間が益々増えていく。その一方で軽症の疾患の治療についてはセルフケアとセルフ・メディケーションが益々重要となって来る。しかし、これには適切な情報提供が前提となる。この分野での薬剤師の役割は大変重くなって行くであろう。