シニア、介護福祉関連HP紹介

by しも


 わが国では、日本は長寿化と少子化によって急速に高齢化が進んでおり、2015年には4人に1人が65歳以上という、大高齢時代に突入するといわれている。
インターネットはコンピューターを用いる最先端の技術だけに若者の文化と解釈する者も多い。しかし、これこそ高齢者にこそ必要なツールであるともいえる。インターネットは、他者とコミュニケーションをとったり、あるいは外で他者と接する機会が乏しい人たちに、その機会を提供し、彼らの世界を広げるツールとなり得る。文字情報、画像情報および音声情報の受信、閲覧、発信は屋内にいる者に圧倒的に有利である。テレビを外で観るひとが少ないように、モバイルの時代になってもこの状況は変わらないはずである。
 一方、近年、高齢者に費やす医療・福祉の費用が増大し、これまでの社会保障の枠組みでは対応が困難になってきた。そこで高齢者介護を社会全体の連帯によって支える仕組みとして、平成12年より介護保険制度が導入された。
 今回は、高齢者および介護に関連するサイトを紹介したい。
 

■介護保険制度について(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/index.html

厚生労働省のホームページ(http://www.mhlw.go.jp/index.html)のトピックスの部局別行政掲示板、老健局の情報の中にある。介護保険制度Q&A、これまでに寄せられた質問・回答などが掲載されている。
パンフレットが(1)から(6) までPDFファイルとなっている。
介護保険制度の概要-すぐ分かる介護保険
(1)介護保険ってどんな制度?
(2)どんなサービスが受けられるの?
(3)利用するにはどんな手続きが必要?
(4)サービスの利用はだれに相談するの?
(5)保険料とその納め方は?
(6)平成12年度・13年度は、保険料が軽減されます

■介護保険事業状況報告 月報 (厚生労働省) 図1-2
http://www.mhlw.go.jp/topics/0103/tp0329-1.html

介護保険制度についてのページから、介護保険事業状況報告のページに移ることができる。この報告は、介護保険事業の実施状況について、保険者(市町村等)からの報告数値を全国集計したもの。暫定版であると説明した上で、要介護(要支援)認定者数、居宅介護(支援)サービス受給者数、施設介護サービス受給者数、保険給付決定状況などが示されている。 

■WAM NET
http://www.wam.go.jp/

「WAM NET」は、社会福祉・医療事業団が運営する、福祉、保健、医療の情報提供するための総合的情報ネットワークシステムである。広範な情報の提供や開示などに重点を置いた誰でもが閲覧可能な「WAM NET OPEN(インターネット)」と、情報の保護や安全性に配慮し専門機関のニーズを優先させ利用登録したユーザのみが利用できる「WAM NET COMMUNITY(イントラネット)」の二つのシステムから構成されている。
 「WAM NET OPEN」は「インターネット」介護保険関連情報として、審議会等の会議資料や介護関係の書式事例集等の情報が公開情報として提供されている。


■シニアネット (シニアネット) 
http://www.seniornet.org/php/

シニアネットはアメリカのサンフランシスコに拠点をもつ。コンピューターを使用する50歳以上の中高年を会員とする非営利組織(NPO)である。シニアネットは、高齢者に対しコンピューターの使用を教育し、コンピューターへのアクセスを可能にすることにより、高齢者の生活の質を高め、知識や知恵を他の人々と共有できるようにすることを目的としている。
 32,000人を超える会員を有しており、年4回のニュースレターやさまざまな教育の手引書を発行し、米国各地で学習センターを運営している。

■高齢者虐待 (シニアネット) 
http://www.seniornet.org/cgi-bin/WebX?50@32.lGhEaA0blIH^0@.ee8f786

シニアネットでは大変多くの話題について討論がおこなわれており、これを「シニアネット ラウンドテーブル」と呼んでいる。約50のセッションに分かれており、例えば健康に関するセッションの中には約150のテーブルがある。図3-2は健康に関するテーブルのひとつの「高齢者虐待」について議論する場である。また、National Center on Elder Abuse (http://www.elderabusecenter.org/)や、National Committee for the Prevention of Elder Abuse (http://www.preventelderabuse.org/additional/organizations.html)など関連サイトへのリンクが紹介されている。
 他のラウンドテーブルの例といて、癌については、Bladder、Bone Marrow、Breast、Cervical & Ovarian、Colon & Recta、Kidney Leukemia、Liver、Pancreatic、Prostate、Skin、Skinなどのテーブルがある。 

■シニアネット 日本語訳 (シニアのための市民ネットワーク仙台) 
http://www.sendai-senior.org/2npo/seniornet/intro.htm

日米のNPOが高齢化、情報化で連携するためのサイトである。シニアのための市民ネットワーク仙台のメンバーがSeniorNetのホームページを翻訳している。SeniorNetの活動状況を紹介することで、日本におけるシニア世代のコンピューター活用環境をよりよいものにすることが目的である。

■ふくしチャンネル (サンクスメディアシステム) 
http://www.fukushi.com/

福祉用具、福祉の求人・求職、福祉関連ニュース
高齢者福祉や介護に関する総合サイト。ホームページ検索、ニュース、福祉用具の購入などがある。
「排泄」や「入浴」など具体的に分類され、デザインも明るくて見やすい。「福祉ニュース」は、ほぼ毎日更新されている。

■シニアナビ (シニア・ナビ事務局) 
 http://www.senior-navi.com/

シニア関連のサイトを多数集めた検索エンジンと、コミュニティが集合している。
「シニアナビ・コミュニティ」には現在約2,500名の会員が登録されている。個人ホームページやプロフィール、豊富なテーマの掲示板を設置、参加型のコミュニティとして、シニア同士の交流がされている。本サイトは、シニア自身にとってはネット生活応援サイトとして利用できる他、介護福祉士などをめざす学生や、シニアビジネス関係者も対象にしている。 

■「やっほー介護」 (尾形新一郎氏)
http://www.o-ga-ta.or.jp/yahho/

介護に関連するページの検索サイト。現在のホームページ登録数は、1729件(平成13年9月6日現在)。塩谷郡市医師会の尾形新一郎氏が運営するサイト。医師の立場から、わが国の介護の現状について意見と解説を述べている。個人が運営しているとは思えないほどの充実ぶりである。

■e介護.com (アイタックス)
http://www.ekai-go.com/

介護関連のビジネスとコミュニティを支援する情報サイト。新聞62紙の介護関連記事トピックスが毎日データーベースに構築される。コンテンツは、「データベース」「広告ページ」「リンク集」「掲示板」「メールマガジン」の5種類で、全て無料で利用できる。データベースサービスには、メール配信(日曜を除く毎日)も含まれている。


■基礎からの介護保険 (高橋邦彰氏)
http://www16.big.or.jp/~kuniaki/base/

介護保険初心者および市民向けの情報を掲載。資料集、メーリングリストの案内、リンク集など。サイトの中を検索の全文検索ができ、また、Q&Aを検索できるのでとても便利である。
また、以下の3種類の掲示板があり、質問によく答えている。 
1.「基礎からの介護保険!」介護保険の利用について疑問や質問を書き込むと、介護専門家が答えてくれる。
2.「成年後見・権利擁護掲示板」成年後見・権利擁護について討論する掲示板。
3.「小中高生福祉会議室」小中高生専用福祉会議室掲示板。福祉全般や介護保険について議論されている。 

■最後に

高齢者の人々がインターネットと出会うことで、彼らの生活スタイルが変わり、心の面でも何らかの前向きな変化が生じるはずである。多くの人々と知り合うことから生まれる心のやすらぎや、時代の最先端に触れることで社会参加が促される効果も期待できるだろう。
 一方、現在インターネットの世界では、若者向けサイトが主流となっており、中高年向けサイトはまだ発展途上の段階にある。
 また、現在、検索エンジンやリンク集においても、娯楽系が優先され、シニア、福祉といった地味なサイトは後回しになりがちである。
今後、高齢者のインターネット参加を支援できるような社会的仕組みができ、優しいインターネット環境が実現されることを望みたい。また、ホームページを作成する側にも操作性がよく、高齢者、要介護者を意識した情報を提供することを望みたい。