薬学6年制の経緯と概要

医薬品を物質として教育する４年制薬学教育では、国民が期待する薬剤師は育成できていませんでした。 そこで、学校教育法、薬剤師法が改正されて、2006年度からヒューマニズムと参加型学習、長期実習を含む６年制教育が始まりました。 2010年度には大学での事前実習1ヶ月(5週間)、薬局実習2.5ヶ月(11週間)、病院実習2.5ヶ月(11週間)の実務実習が必須科目として開始されます。

実習といっても患者さんを相手におこないますから、学生に基本的な能力が備わっているかどうかを確認する必要があります。 そこで、４年生の後半にCBT*1、CSCE(オスキー)*2といった共用試験をおこないます。
*1 CBTはコンピュータを用いて無作為に出題した「知識を」問う問題
*2 OSCEは評価者、模擬患者の前で実技を行い「技能」と「態度」を問う問題 

　名称

カリキュラムは、目標、方略、評価の3 要素からなるが、学習終了時に期待される成果(目標)を示したものがGIO。 GIOは学習前に学習者に明示されていなければならない。
薬学教育としてのGIO があり、各コースのGIO があって、さらにその下に各ユニットのGIO があるという組み立てになる。

暫定的に以上の310題に定められている。
合格は60%以上、すなわち186/310問とする。
CBT、OSCE合格者の有効期限は1年間。200903薬学会京都シンポジューム説明より。

1975 年スコットランドのHarden, W.によって創始された評価方法。ステーションと呼ばれる小部屋を多数準備し、各部屋にそれぞれ課題を準備する。学生は順次それらの部屋にローテーションして与えられた時間内に課題をこなす。評価者はあらかじめ準備された評価表に沿って評価を行う。この評価法は臨床実技を評価するのにたいへん適しているといわれている。

日本の6年制薬学教育の場合、OSCEは技能と態度を評価する。基本的な技能や態度が習得されており、薬学の実務実習を開始してよいレベルに到達していることを、この個々の大学のOSCEで保証する。実施時期は実務実習前で、CBTとほぼ同時期。計6題(5領域)を制限時間内(5分間)に行う。

2名の評価者評価表で評価。所属大学だけでなく、外部評価者(地域の薬剤師や他学の教員)を含む。疑義照会では模擬医師が必要。領域1と5では、SPが必要。
合格は細目評価で70%、概略評価で5以上--2009.03薬学会京都シンポジューム説明より。　

学生を輩出する大学には教育機関として十分な質の担保が要求される。薬剤師教育に関わる年限延長が国会で決議された際には、付帯決議として薬系大学に対する第三者評価の必要性が示された。

評価基準として「薬学共用試験（ＣＢＴおよびＯＳＣＥ）の実施結果が公表されていること」など、全部で71項目に及ぶ基準が並べられている。 基準案の大項目は、[1]理念と目標[2]教育プログラム[3]学生[4]教員組織・職員組織[5]施設・設備[6]外部対応[7]点検――の七つに分かれる。中項目としては、「実務実習」「問題解決能力の醸成のための教育」「社会との連携」など12項目が設定されている。 
第三者評価検討委員会　委員長は井上圭三氏

タイトル

発行年月

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　概要

11週の中で、どのようなタイミングで実習を行うか、例を別のシートで示しました。