◆ 新薬情報 index

2013年9月製造販売承認

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■アブストラル舌下錠 100μg,200μ…■ソブリアードカプセル 100mg■ビンダケルカプセル20mg■アゾルガ配合懸濁性点眼液■アレジオン点眼液0.05%■ウルティブロ吸入用カプセル■フルティフォーム 50エアゾール 56,…■レルベア 100エリプタ 14,30吸入…
■ ウルティブロ吸入用カプセル
1. 承認概要
新医療用配合剤 2013年9月 / 2013年11月 発売
2. 薬効分類名
長時間作用性吸入気管支拡張配合剤
3. 一般的名称
グリコピロニウム臭化物/インダカテロールマレイン酸塩吸入用カプセル
4. 適応症
慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解 (長時間作用性吸入抗コリン剤及び長時間作用性吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)
5. 類薬との比較

「気管支喘息、COPSに適応を持つ吸入配合剤の例」上の図の、PDFです。2023-05-01更新
 
6. 特徴
【背景】
慢性閉塞性肺疾患(COPD)はタバコ煙を主とする有害物質を長期に暴露することで生じる肺の炎症性疾患で、 症状として労作時の息切れと慢性の咳、痰が特徴的です。
安定期のCOPDの薬物治療の中心は気管支拡張薬で、短時間作用性β2刺激薬(SABA)、 長時間作用型β2刺激薬(LABA)、長時間作用型抗コリン薬(LAMA)が患者さんの重症度に応じて段階的に用いられ、 中等度以上では、LABA またはLAMAの定期的な使用が推奨され、単剤で治療効果が不十分な場合、または症状がより重症な場合には、2 剤以上の気管支拡張薬の併用が可能とされています。
COPD 患者さんにおけるアドヒアランスの低下の要因の一つとして吸入器の使用が難しいことが指摘されていて、 吸入用の気管支拡張薬を併用する場合、複数の吸入器を用いて各薬剤を投与する必要があります。
本剤は、2013年7月現在において承認されている国はなく、欧州で審議中です。
【特徴と留意点】
本剤はドライパウダー型の吸入剤です。
LAMAであるグリコピロニウム臭化物(シーブリ:2012年11月発売)と、 LABAであるインダカテロールマレイン酸塩(オンブレス:2011年9月発売)を配合しています。
1剤で、気道狭窄に対してLAMAによる間接的な気管支平滑筋の弛緩作用と、 LABAによる直接的な気管支平滑筋の弛緩作用の双方で気管支を拡張します。 1回の吸入でLAMAとLABA同時に吸入するので、患者さんの利便性とアドヒアランスの向上が期待されています。 また、シーブリ、オンブレスと同じデバイス(ブリーズヘラー)を使用するので、新たなデバイス操作の習得の必要がありません。 1シート7カプセルです。
今後、長期投与時の安全性、高齢者における安全性、心血管系・脳血管系有害事象の発現リスクについて情報を集積し, 検討する必要があるといわれています。
7. 使用上の注意と服薬支援
(1) 閉塞隅角緑内障の患者さんは、抗コリン作用により眼圧が上昇し症状を悪化させるおそれがあるので使用できません(禁忌)。
(2) 前立腺肥大等による排尿障害がある患者さんは、抗コリン作用により、尿閉を誘発するおそれがあるので使用できません(禁忌)。
(3) 慢性閉塞性肺疾患の症状の長期管理に用います。急性悪化時の症状緩和を目的として使用する薬剤ではありません。
(4) 通常、成人には1回1カプセルを1日1回本剤専用の吸入用器具(ブリーズヘラー)を用いて吸入します。内服しないでください。
(5) 過度の使用により不整脈、心停止等の危険な副作用が出る危険があるので、 一定の時間帯に吸入し、1日1回を超えて投与しないでください。 本剤の気管支拡張作用は通常24時間持続します。
(6) 吸入の直前にブリスター(アルミシート)からカプセルを取り出してください。
(7) COPDの原因となる喫煙をやめることが最も重要な治療といえます。
8. 製造販売元など
製造販売元:ノバルティス ファーマ株式会社
お問合せ先:ノバルティス ファーマ(株) ノバルティス ダイレクト 0120-003-293
(文責 下平秀夫) 2013年11月/2023年5月更新